ハットリブログ

Creative Consideration


広告代理店クリエイティブ

→外資系エージェンシー→IT企業マネジメント

→データマーケティング・カンパニーというキャリアから考察する

今と今後のクリエイティブなど



いくつの言語で仕事ができますか?

5ヶ業種語 X 日英=10の言語で仕事ができます。

 

というのが私の答えです。

 

「ヶ国語」じゃなく「ヶ業種語」?くわえて「日英」?と思われた方、多いと思います

(というかたぶんみなさんそうですよね)ので説明します。

 

私は一応、英語がそこそこ話せるのですが、そういうバックボーンがあってもなおこれまでの経験から思うに、コミュニケーションに関わるビジネスをするにあたってはいろいろな国の言語が話せることよりも、横断するさまざまな業種の言葉、考え方で思考が自由に行き来できるほうが有用なことが多いのです。

 

たとえば、企業コミュニケーションの全体設計を考える場合、表現のコンセプトを開発するチームとのミーティング中に(←この会議では広告クリエイティブの言葉を話しています)、「でもそれに付随するサイトでのコンテンツ発信を考えた場合、運用体制はどうするの?」という疑問が出たら、現状サイトのCMSに関する知識を前提に体制を設計するのがスムーズですし(←そしてこの場合はWEBディレクターの言葉を話しています)、「そのときに配信メディアと見るべき指標、そしてつなぎこむDMPは?」と話が流れれば当然、データマーケの言語が話せたほうがプロジェクトが最後までブレずに綿密に設計できます。

 

で、じつはそういうときって、全員が複数の業種の言語・考え方に精通している必要はなくて、一人でいいので「ミッシングリンクを埋めてくれる人」がいるだけで全体がものすごくスムーズに整うものなのです。

 

私の前職は外資系の広告代理店だったのですが、入社当時まだあまり英語が得意でない頃に、英語ができない私と日本語ができないデザイナーとの間に立つのが「通訳」ではなく、両方の言葉を聞きながら話しながら会話をファシリテートしてくれる「ミッシングリンクさん」だったときのほうがずっと仕事が上手くいく、ということが何度もあって、その経験から、異なる業種から参加するステークホルダーが多くなるプロジェクトでの、業種を横断して話ができる「ミッシングリンクさん」の必要性に気づけた、というわけなんですけどね。

 

もちろん語学の例だけでなく、私の師匠はクリエイティブとマーケティングとアカウントの言語と思考を自由自在に行き来して発想できる方で、なおかつそれをプレゼンを受ける経営者のマインドに寸分の隙もなく置き換えて言語化することができるという方で、師匠のそのミッシングリンク(というか超絶万能な情報ハブ)が、ものすごく複雑なプロジェクトを鮮やかに設計・実行する様を何度も目にしていますので、クリエイティブ・コンサルティングの現場でももちろん有効なのは実証済みです。

 

そんな師匠の仕事を若い頃に見てしまった影響もあって、自分の話せる言語を増やそう増やそうとするうちに私のキャリアもこのサイトの冒頭にあるような変遷を遂げまして、で、いまの私は、クリエイティブ、データマーケティング、WEBディレクション、営業、経営の

 

5ヶ業種語 X 日英=10の言語で仕事ができます。

 

 

 

どうして一部上場企業を辞めるという決断ができたのか?

ある人に言われた言葉に、その3年後、突然背中を押されたからです。

 

というのが私の答えです。

(あ、で、この話は「いまの勤務先を辞めた」というわけではなく、私が最初に転職をした20代の頃の話ですのであしからず)

 

実際の業務(特に広告系)においては、会社やプロジェクトの規模が大きくなればなるほど四半期ベースでの短期的な成果の可視化が求められがち(これがデジタル広告になるとそのタームはもっともっと短い…)ですよね。

 

でも当然ですが、コミュニケーションの効果が出るまでのスパンというのは一様ではなくて、長期的な効果を見据えて行うべき施策、開発するべき言葉、が必要な場合も多々あるわけです。(かといって数年後のための種まきとして「インパクトの強いTVCM打ちましょう!」っていう言説を私は全く支持しませんがそれについてはまた別の機会に)

 

ここで勘違いされがちなのが「長いスパンで見る」的なことを言うと「結果に対する責任感がない!」とおっしゃる方がいるのですが、それはたぶんその方ご自身が「勝ち逃げ」発想をしているからだろうと私は考えておりまして、私(と私が勤める会社)にとっての「長期的に考えましょう」はつまり「それだけの期間、私たちも人生かけてお付き合いさせていただきます」ということなので、むしろ絶対に結果から逃げない「究極の成果主義」なんですね。

 

相手に、より大きな決断を促す場合には、こちらもそれだけの熱量と時間をかけてお付き合いする覚悟がないと双方にとって幸せな結果がうまれるわけがない。(「こんなに大切なことにこの場で返事しろって言われても…」っていうアレですね)

 

でも、「それじゃぁ、とにかく時間の猶予を設けさえればよいの」というと、もちろんそういうわけでもありません。

 

ではどうするのか?というときに私がとるアプローチが「コミュニケーション・ポートフォリオ」という考え方なのですが、長くなるのでご興味をお持ちいただける方はぜひにお問い合わせいただければと。

 

それなりに大きな会社で、それなりに優遇された日々を過ごしていた若者を、”お金や福利厚生を理由にではなく転職する”という決断に導くなんて大きな話も、コミュニケーション・ポートフォリオに当てはめて追ってみるとそれ以外の結論が出ないんじゃないかなぁっていうぐらいものすごく真っ当なフローに落とし込むことができますから。

 

ちなみにコミュニケーション・ポートフォリオは事後分析のためだけに使われるツールではなく、これから打っていく施策の戦略立案のためにこそ効果を発揮すると自負しております。なぜそんなことがいえるのかといいますと、それはもちろん私自身が実体験で、

 

ある人に言われた言葉に、その3年後、突然背中を押されたからです。

 

(言ったあの方は「してやったり」と思ってるのかなぁ。今度聞いてみよう)

 

 

 

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なぜ、あのIoTアプリだけがいち早く成功できたのか?

ユーザーの「読後感」をおろそかにしない初期コンセプトワークです。

 

というのが、私の答えです。

 

タイトルにある「あのIoTアプリ」というのは私が取締役を務める会社が、世界有数のシェアを誇る某インフラ機器メーカー様と開発したIoTアプリのこと。

基本的には数十万円する専用機器をご購入いただいた方に提供されるアプリですので「巷でよく目にする」というようなものではありませんが、おかげさまでユーザー様の多くから大変好評なフィードバックが寄せられています。

 

キャンペーン的な「なんちゃってIoT」とは違い、生活インフラに関わるものですので機器とのBluetooth連携からのフルスクラッチ開発でしたから、開発チームの苦労は涙なしには見られないほどの壮絶さ(まぁ私はそっち側じゃなかったんですけどね)。そんな彼らの努力があったからこその成功なのは間違いないのですが、それに加えて今回の結果はそこに至るまでのコンセプトワークにこそ鍵があったと私は考えています。

 

使用する技術のフレームワークが決まっているところ(この場合だとBluetoothスマホ連携)からプロジェクトがスタートすると「技術的な作業をいかに効率的にこなすか?」が優先されてしまいがちで、「最終的にユーザーになにを提供するのか?」という部分に血が通わない結果になってしまうことが多いんです。(で、ちなみに私のプロジェクトではこの「最終的にユーザーになにを提供するのか?」を「ユーザーの読後感」と呼んでいます。)

 

逆にコンセプトワークの段階で技術理解やエンジニアサイドとの意思疎通が全く考慮されていないと今度は、ふわふわしたポエムのようなきれいごとのコンセプトもどきが生産されてしまいます。(広告系のコピーライターの人がWeb系に絡んでくるとこういうことよくやらかしますよね。私も昔はそうでした…)

 

それに対して今回は、クライアントのリーダーの慧眼によりプレゼンテーションの段階から「コンセプトから技術までの一気通貫がよかった!」という観点で選定していただきましたので、チーム全体の意思疎通の基盤になるコンセプトワークを最初から強固に持つことできていました。

 

ちなみに先日新たに上がってきたユーザーアンケートの回答に期せずして(外に対しては全く打ち出していない言葉なのに)私たちが立てたコンセプトと同じ言葉が「非常に満足しているポイントです。」として書かれていたときには思わずエクセルシートに涙がこぼれましたよ。

 

というわけで最新の技術と絡むプロジェクトであればあるほど大切なのはそのプロジェクト全体をいかにして「血の通った人間の行ない」として動かしていくのか、いけるのか、という意識に基づくディレクション。そして、

 

ユーザーの「読後感」をおろそかにしない初期コンセプトワークです。

 

 

 

 

 

ブランディングとはなんですか?

「好きになってもらうこと」です。

 

というのが私の答えです。

 

ちなみに師匠の著書(大ベストセラーです)では、

「(その企業・サービス・商品に結びつく)気持ちのいい体験」となっていたかと思うのですが、私が企業コミュニケーションの情報設計をするときにはもう少し単純化して、「ブランディング=好きになってもらうこと」と考えるようにしています。

 

・知っている人には好感を持ちやすい(=認知向上戦略)

・信頼出来る人が褒めていると好感を持ちやすい(=口コミ戦略)

・顔を合わせる回数が多い人には好感をもちやすい(=フリークエンシー戦略)

・自分に似た嗜好の人を好きになりやすい(=共感によるブランディング戦略)

・びっくりするとその拍子に恋に落ちやすい(=クリエイティブのインパクト)

 

こう考えていくと、さまざまなコミュニケーション施策が、マーケティングツールやフレームワークによる数字の積み上げではなく、血の通った「行ない」としてとらまえることができるような気がします(しませんか?)

 

というわけで、私の考える「ブランディング」とは

あなたの会社やサービスや商品を(できる限りあなたが好かれたい人に)

 

「好きになってもらうこと」です。

 

 

 

 

 

 

広告のツールや手法はすでにほぼ出尽くしているのではないか?

プロジェクトをつかさどる「文脈」をつむぎ出す力のほうが、これからはより重要なのではないでしょうか。

 

というのが私の答えです。

 

CTR,CPM,DSP,SSP,RTB,CVR,CPA,SEO,LPO,CRO,DFO,,,,,,,,,

インフィード、インストリーム、インバナー、インリード、インスクロール、ネイティブ、アフィ、リワード、ブースト、リッチ、レスポンス、インプレッション、コンテンンツ連動、興味関心、、、、、、

 

つい先ほども、Facebook「人ベース効果測定サービス」の提供を発表したり。

 

もちろん大前提として、こういった「こんなセグメンテーションが切れる」とか「こういう指標を抽出することができる」という各々のツールや手法に関する理解はとても大切なのですが、

 

それだけでは、企業やプロジェクトにとってのそれぞれ固有なゴールに達するには足りなくて、

 

具体的な結果を求めるならばなおのこと、

それらのツールや手法に関する知識を持ったそのうえで、

 

複雑に絡み合った状況や情報を解きほぐして整理したり、

 

解きほぐした糸の有効な利用方法を考えたり、

 

どうすれば、みんながそれに向かってスムーズに意思統一して動き出せるのかを

設計したり、

 

といった

 

プロジェクトをつかさどる「文脈」をつむぎ出す力のほうが、これからはより重要なのではないでしょうか。

 

 

 

 

私の仕事はなんですか?

クリエイティブ・コンサルテーションです。

 

というのが私の答えです。

 

ちなみに、おそらくいま日本で一番有名な「クリエイティブ・コンサルティング」の実践者が私の師匠です。

 

長く不義理をしてお会いしていなかった師匠に数年ぶりにばったりお会いしたのが

2011年3月11日の地震の直後で、しかもそこは、私と師匠が最初に出会った私の古巣の会社の旧本社屋の前でした。

 

そのあまりの偶然具合から過去の不義理がなんとなくなかったことになりまして、

それからしばらくして一緒に食事をさせていただいた機会に「これからはディレクションではなくコンサルテーションだよね」という話が盛り上がりまして、

 

いまではその道のトップになられた師匠の遠い背中を見ながら、自分も自分なりのクリエイティブ・コンサルティングの形を追求しています。

 

なかなか師匠のように鮮やかにはいきませんが、

 

私の仕事は

クリエイティブ・コンサルテーションです。